
WordPress の日本語記事を EmDash 1.2.0 へ取り込み、本文・画像・URL・検索向け設定を確認しました。本文の大半は引き継げた一方、日本語 URL や引用などには手直しが必要でした。試験移行で見るべき点を実データで示します。
この記事の目次
WordPress から EmDash へ移るとき、今ある記事を一から書き直す必要があるのでしょうか。日本語の原稿を実際に取り込んだところ、本文の大半、公開状態、日時、画像の説明は引き継げました。一方、日本語 URL や引用ブロックなどには手直しが必要でした。
記事を蓄積してきたメディアでは、「取り込めた件数」だけで移行を判断できません。読者が以前の URL から読めるか、引用や画像が欠けていないかまで見ます。今回は、移行前に自社の記事で何を試すべきかを、検証結果から整理します。
日本語の企業メディアを想定したデータで試した
検証日は2026年10月14日、EmDash 1.2.0 のブログの雛形を使いました。実在する顧客のデータではなく、WordPress 6.8 形式の書き出しファイルを手で用意しています。2026年10月15日の改稿では、この記録をメディア運営者向けに整理し直しました。
用意したのは記事5本、固定ページ1本、事例を想定した独自の投稿タイプ1本です。記事には公開、下書き、非公開、予約の状態を含めました。画像3点のうち1点は、日本語のファイル名を使っています。
本文には見出し、表、引用、画像、動画、フォームを呼び出す短い記法などを入れました。日本語のカテゴリ、親子関係のある分類、著者名、検索向けの説明文も確認対象にしています。
管理画面の取り込みと同じ処理を、分析、受け入れ先の準備、本文の取り込み、画像のコピー、参照先の書き換えの順に実行しました。特定の書き出しデータと版での結果であり、すべての WordPress サイトに同じ問題が出るという意味ではありません。
本文の大半と、記事の状態は引き継げた
段落、見出し、太字、リンク、表、リスト、画像の説明は保存されました。コードや YouTube の埋め込みも変換されています。今回のデータでは、日本語の本文そのものが文字化けすることはありませんでした。
対象 | 確認した結果 | 運営上の意味 |
|---|---|---|
本文の基本要素 | 段落、見出し、表などを保持 | 全文の再入力は不要だった |
記事の状態 | 公開と下書きを引き継いだ | 非公開の記事は下書きになった |
公開日時 | 元データの時刻を保持 | 日本時間とのずれはなかった |
カテゴリ名・著者名 | 日本語の名前を保持 | 分類と署名を残せた |
予約記事は、日時を持つ予約公開の状態として取り込まれました。この検証は取り込み直後の状態確認であり、本番でその日時に公開されるところまでを確かめたものではありません。
これは1.2.0での実測です。2026年10月15日に確認した公式移行ガイドでは、予約記事も下書きになると説明されています。実測と公式説明に差があるため、採用する版で取り込み後の状態と日時を確認してください。
独自の投稿タイプも、内容を保存する場所が作られました。ただし、その内容を表示するページは別途必要でした。保存できることと、元のホームページの構成が再現されることは別です。
日本語 URL と引用は、公開前に手直しが必要だった
日本語 URL の一部が、パーセント記号を含む文字列のまま取り込まれました。今回のブログの雛形では、一覧からその記事を開くと 404 になりました。
保存された値を日本語そのものに直すと、記事を開けるようになりました。ただし、旧サイトと同じ URL を維持できるかは、記事の置き場所も含めて別に確認します。変更する場合は、古い URL から新しい URL へ案内する転送設定が必要です。
WordPress のブロック編集で作った「引用」には、本文が消え、出典だけが残る例がありました。昔の編集方式で作った引用や、別形式の強調引用は残りました。同じ「引用」でも、元のデータ形式によって結果が異なります。
親子関係のあるカテゴリでは、名前と記事への割り当ては残りましたが、親子の関係は失われました。公開前に、本文の照合、URL の確認、カテゴリの関係の付け直しを行う必要があります。
これらは1.2.0で確認した結果です。別の版を採用する場合は、再現データで改めて確かめます。
画像は、表示だけでなく配信のされ方も見る
書き出しファイルには、画像の実体ではなく参照先が入っています。取り込み先へ画像をコピーし、記事中の参照先を置き換える作業が必要です。
検証では、インターネットから取得できる画像をコピーでき、日本語のファイル名も扱えました。一方、手元のパソコンだけで使うアドレスは取得先として拒否されました。移行中に元の画像を読み取れるかを、先に確認します。
画像の参照先を置き換える処理は、本文と記事の代表画像の両方に反映されました。ただし、今回の取り込み経路では、画像は外部の参照先として保存されました。ブログの雛形では、画面幅に合わせて複数サイズを配信する情報が付いていませんでした。
画像が見えれば完了、とはせず、管理画面での選び直しや配信設定も検討します。画像の多い記事では、表示速度を条件をそろえて測った記事も参考になります。
検索向け設定と追加機能は、別に引き継ぐ
今回の標準の書き出しファイルを使う経路では、Yoast に入力した検索向けの説明文と、独自の入力項目は保存されませんでした。公式では、専用の EmDash Exporter を使う移行経路が案内されています。この専用経路での引き継ぎは、今回の検証には含みません。
また、WordPress のフォームを呼び出す記法は、文字のまま残りました。地図の埋め込みが消える例や、文字色の指定が失われる例もありました。フォームや地図は、移行先で用意して貼り直す作業を見込みます。
元の追加機能をそのまま EmDash へ持ち込めるわけではありません。問い合わせ、会員向け表示、検索など、業務で使う機能を一覧にして、代替方法を決めます。
検索向けの説明文や転送設定についても、保存できたかだけでなく、公開ページで反映されるかまで確認してください。今回は旧 URL からの一括転送と、移行後の検索流入の維持は未検証です。
代表的な記事を選び、試験移行から始める
最初に選ぶのは、簡単な記事だけではありません。検索から読まれている記事、日本語 URL の記事、引用や表の多い記事、フォームや動画を含む記事を混ぜます。
その結果を、「そのまま引き継ぐ」「手直しする」「移行先で作り直す」に分けます。記事数だけでなく、手直しの種類と件数が分かると、費用と日程を判断しやすくなります。
今回の検証は、蓄積した本文を活かして移れる一方、確認と補修の工程が必要だと示しました。移行の魅力を判断するには、今ある記事を使い、どの程度の作業で次の運営へ移れるかを確かめるのが近道です。
自社の記事で試験移行を進めたい場合は、EmDashでつくるWebサイト制作からご相談ください。
参考(一次情報)
- WordPress からの移行(公式)
- 内容の取り込み(公式)
- 取り込み検証:2026年10月14日、EmDash 1.2.0。日本語の書き出しデータと実行手順を制作ノートに保存。


